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駅前旅館

昨日から降り続いている雨は私の休日をも濡らしている。

形容するならばシトシトと静かに降る上品なものである。

近年、俗に言うゲリラ豪雨は恐ろしさというものを含み、品のある趣はない。

そもそも雨に品があるかどうかということはさておき、私は自転車に乗ることを諦めなければ

ならなかった。 

少しだけ朝寝坊したが起きて洗面と朝食を済ませ、パソコンに電源を入れて読みかけの本を読み始めた。

わからない熟語や漢字は検索を入れて突き詰めることにしている。

頭の中に初めてインプットされるそれらの言葉が次に出てくるのがいつになるのかは私にもわからない。

午前中の時間の進み方は午後よりも早く感じ、そして私はゴソゴソと食事に出掛けた。

ツルッと終えた食後はまた机に向かい本を読む。




今月2冊目の本を読み終えた。

「駅前旅館」 井伏鱒二・著 新潮文庫

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駅前旅館の番頭を務める生野次平を主人公に旅館業界のウラの話や、同業仲間との繋がり、

宿泊人とのエピソードをユーモアたっぷりに井伏節で書いてる。

井伏鱒二の作品は以前、「山椒魚」という本を読んだことがあるのだがその時

読み終えて、ダンディズムという言葉が頭に浮かんだことを思い出す。

感覚的に井伏氏の文体に幼稚な言葉でいうなら「カッコ良さ」を感じた。

今回の作品は昭和30年代初頭の話で、私が生まれる前のことでリアリティーはなかったが、

時にガヤガヤとした、時に哀愁を感じる、番頭稼業のなんたるかを興味深く読み進めることが出来た。

平成29年の現代、駅前の旅館はビジネスホテルへと取って代わった感はあるが、地方へ行くと今でも

そんな老舗の旅館がひっそりとあるのかも知れない。






また旅に出たくなったな。。。

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