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田中慎弥的SF

 昨日から降り続く雨は私の休日をもしっかりと濡らした。GWとは一部の人々の休日で私には関係なく過ごす日々だ。それでも一応に疲労したものだから、一週間ぶりの休日を休養にあてるにはちょうど良かったのかも知れない。
 読みかけの本を読み進め夕方になって読み終えることが出来た。「宰相A」田中慎弥・著 新潮文庫。 この本は田中慎弥的SF小説とでも言おうか架空の日本を舞台に展開する物語で、長い文節、天才的な比喩表現は冴えわたり、田中慎弥ワールドが存在する。だいぶ読み手である私自身に免疫が出来たおかげもあり、それほど難解に読み進めることはなかった。 田中慎弥は4冊目なのだけど、著者の特徴というものがわかってきたと書くとおおいに田中氏に憤怒されそうだ。この物語に出てくるTという登場人物もおそらく著者自身を模しており、前回読んだ本でも小説家という人物が登場していたから、著者自身を登場させ、内面の深淵を掘り下げていく筆致は得意とするところなのだろうと思う。裏を返して意地悪な読みをすれば、田中慎弥は狭い世界の海溝に沈みこんでいるのかもしれない。 さらに返すとそれほどの狭い世界でこれだけの小説を生み出す天才を驚愕せずにはおれないのである。

 窓から見える世界が闇の入り口をむかえた時、ウソのように雨は止み、狂乱したかもしれないであろうGWを洗い流していった・・・・

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