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広島陸軍被服支廠

 よく晴れた4月のある日、入学式を終えたノズルはカリオンの前で同級生達と一緒にスタートしたばかりの学生生活を待っていた。色々な楽器の研究室の上級生がプラカードを持って新入生をつれて部室というか研究室へと先導している。すると向こうから決して笑ってはいない、むしろ怖い顔をして2年生の玉井と柳元がノズル達に近づく。「全員揃ったか。これから研究室へと案内する。ついてくるように・・・」トロンボーン研究室は3号館という建物の地下一階にある。地下一階には他にも木管楽器や金管楽器の研究室が並んでいた。鉄製の扉を開けて中に入るとカーテンを閉め切ってタバコの煙が充満している決して明るい雰囲気の場所ではない所にソファーとテーブルがあり、一番奥のソファーには恐らく4年生であろう方々が怖い顔と雰囲気でどっかりと座っていた。「じゃー一人ずつ自己紹介をしてもらう」「まず2年生が手本を見せるからな」 「長野県出身~! 諏訪南高等学校卒業! 玉井光太郎!よろしくお願いしま~す!」 と体が反り返るほどの大声で手本を見せてくれた。「よし!右の背の高いお前から!」 ノズルの緊張はMAXに達していたがもうやらないという選択肢はない。「山口県出身・・・植野高等学校・・・」「声が小せえ!もう一度初めから!」両側に座っていた3年生から喝が入る。今出る最大級の声で「山口県出身! 植野高等学校卒業!田上ノズルです。よろしくお願いしま~す!」「よし!次!」
 一年生5人の自己紹介が終わったところで、突然奥のカーテンが開き、両側に座っていた上級生が一斉に立ち上がり、持っていたクラッカーを鳴らした。ノズル達は一瞬何が起きたのかわからなかったが、今まで隠していた最大級の笑顔で「入学、おめでとう~!!!」と場の雰囲気は一変したのだ。どうやら最初の怖い雰囲気はわざとでサプライズだったのだ。これからの学生生活が明るく照らされていくようだった・・・・つづく

 車の屋根には昨日降った雪が申し訳なさそうに少しだけ積もっていた。広島市内平野部では今季初積雪ということだ。路面はすっかり乾いていて、何の遠慮もなしに愛車の8・5DSでポタリングに出発したのだった。いつもとは違う道筋で平和公園近くのタリーズへと向かう。原爆ドームの前で少しだけ驚いたことがある。観光客がほとんどいないのだ。この度の新型コロナウィルスの影響だと即座に思った。恐らく全国どこの観光地も閑散としているのだろう。 タリーズで少しゆっくりしてから進路を東にとり、「タージ海田店」へと向かう。食べ始めてしばらくはいつも店内にかかっているヒンドゥー語のBGMがなく、なんとなく寂しい。いつも通り開店したばかりで店内には自分しか居らず、店員は提供後、スマホをいじっている。 
 今日は最近、解体か保存かで議論が始まった、広島陸軍被服支廠(ひろしまりくぐんひふくししょう)へと行ってみることにした。この建物、レンガ造りで建築物としての希少性も高く、被爆建物で爆心地から離れていたのでほぼそのままの形で現存している。かなりの敷地面積があり、全部で4棟ある建物のうち、3棟は県が、もう1棟は国が管理している。耐震化がされておらず、最近になって「解体の方向で・・・」となっていた。しかし、多くの市民から全棟を保存して欲しいという声があがり、議論が始まった所だ。この建物は戦前に軍都であった広島において軍服や帽子などを製造していた。まじかで眺めると原爆の爆風で曲がったままの鉄出窓がいかにも生々しい。広島市内にももうほとんど被爆建物が残っていない現状を思うと、この建物は一棟でもよいから保存して欲しいと個人的には思う。
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 現在も、建物内部へは入ることは出来ず、中の様子はわからない。もし一棟でも保存するならば、中に珈琲を飲めるスペースや戦前の様子を学べるような展示物をしてはどうかと素人考えには思う。

走行距離・・・36.54km   最大心拍数・・・116


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